高田匡隆の’La Ringrazio’

[fontec FOCD20076]

'98,'99年の音コン時の技巧派ぶりが今でも印象に残る高田匡隆のデビュー盤。その後留学先で、この奏法では指を痛めるとかということで奏法を変えたという話を聞いた記憶があるが、そのせいかどうか、今回のCDも当時のバリバリと突き進むような感じは影を潜め、全体的にテンポは落ち着いて、慎重というか、堅実な演奏ぶり。ただLisztでもペトルーシュカでも、ここぞという難所でタメが入ったりルバートがかかったりして、技巧のキレの面でも当時の彼らしさがあまり感じられなかった。