Pierlot/Ricercar ConsortのJ.S.Bachマニフィカトほか

[MIR 102]

Ricercar ConsortによるこのBachシリーズはずっと聴いているが、今回のは最初の盤以来の感激だったかも。マニフィカトは実はこれまで食わず嫌いだったのだが、冒頭の目の覚めるようなトゥッティと合唱を聴いて、こんなに良い曲だったのね、と開眼させてくれる一枚となった。歌手陣も今回は4人とも不満がない。そして小ミサBWV235もそれに輪をかけて素晴らしい。この曲はJunghänel盤でやはり開眼させられたのだが、そちらが(1声部2人ということもあって)声質が均一で人工美を感じさせるのに対し(注:私は人工美も好き)、こちらはOVPPということでより人間的というか、一人一人の個性や特性がより際立つ。私のお気に入りのMenaも相変わらず好演である。録音も臨場感があって生々しい。こうなると彼らによるロ短調ミサに期待がふくらんでくる。