Edna SternのJ.S.Bach ’Preludes, Fugues & Chorals’

[Zig-Zag ZZT090104]

アルバムタイトルを見たときは初めはオルガン曲のピアノ編曲集かと思ったが、実際はコラールのみが編曲物で、前奏曲とフーガは平均律第1巻からの選集(12曲)。そして収録時間的にも平均律の方がメインになっている。Sternの演奏は初めて聴いたが(実はデビュー盤のシャコンヌ集が結構好評だったらしい)、しっとりと抒情的で、全編に静謐な雰囲気が漂っている。アプローチ的にはFellnerに近いものも感じるが、さらにテンポがゆったりとして、また時おり時代楽器的なアゴーギクを見せるのも悪くない。平均律も全曲にすると2枚組になって買う方も構えてしまうが、このように抜粋で1枚に収めるというのも(買う敷居を低くする意味で)なかなかよいアイディアである。続編に期待。