Yuja Wangのデビュー盤

[DG 4778140]

最近のDGはアジアマーケットを重視してか、東洋系若手ピアニストのデビューが多い気がする(Alice Sara Ottoなんかもその流れ?)が、彼女も中国出身。曲はLigetiのエチュードを挟んでChopin, Scriabin, Lisztのソナタを並べるという意欲的なもの(国内盤はさらにボーナストラックが付くけど、HMVだと価格差が千円近くもあり、今回はパス)。聴いてみたが、全体的にデビュー盤としてはあと一歩アピールするものに欠けるか。テクニックは悪くないけど凄みを感じるほどではないし、それよりも気になったのは緩徐部分での歌い回しで、テンポを遅くとるがやや流れが滞る嫌いがあり、歌心というか音楽センスの面で少し疑問が残る。またScriabinではさらに音色や響きの多彩さが欲しいところで、Melnikov盤あたりと比べるとちょっと分が悪い。