Stephen Houghの’in recital’

[Hyperion CDA67686]

Hyperion時代になってからのHoughのCDは、協奏曲についてはRachmaninovやSaint-Saensなど文句なしに素晴らしいのだけれど、独奏曲になるとこの間のMozartのように今ひとつ煮え切らなかったり優等生的演奏に留まっていたりすることが多いと思っていて、今回のオムニバスアルバムも幾分その傾向が感じられる。特にそう思ったのがBeethovenのOp.111で、すっきりと整ってはいるのだが、最近聴いたDinnerstein盤に比べると、どこか表面的というか、もう少し張り詰めるような緊張感があってもよいように思われる。再録となるメフィストワルツも妙に落ち着いていて、Virgin時代の旧録の方が勢いがあった。