Oleg Marshevの’In recital’

[DACOCD 677]

Marshevというと、これまで全集モノの録音が多かったイメージがあるので、このようなオムニバス盤はやや珍しい気がする。演奏は、まあ予想通りというか、良くも悪くも彼らしさが出ている感じ。良い点というのはもちろん洗練された技巧と、嫌味がなく見通しのよい解釈なんだけど、反面、特にアゴーギクに関してやや起伏が少ない感じがして、それがダイナミズムとか畳み掛けるような要素にやや欠ける印象に結びついているかもしれない。それでもスペイン狂詩曲など安定感があって悪くないし、Scriabinも「濃く」なり過ぎないところが却って趣味のよさを感じる。