Simone Dinnersteinのベルリン・コンサート

[TELARC CD-80715]

デビュー盤のGoldberg変奏曲がまずまずの印象だったDinnersteinの2枚目のソロアルバム。実は最初に曲目を見たときは今回はパスかなと思っていたのだが、冒頭のフランス組曲を店頭で試聴して気が変わってしまった。相変わらず優美で柔らかく、そしてときには溌剌として、思わず耳を傾けてしまうような魅力がある。Beethovenの32番も、第1楽章での左手の細かい走句でのキレはGoldbergの名技的変奏を思い出させるし、全体を通しての読みの深さと丁寧さにも感心。しかもライヴ。この人はGoldbergだけの一発屋ではなさそうである。