M.Seiler/ImmerseelのBeethovenヴァイオリンソナタ集

M.Seiler & Immerseel [ZZT070802]

去年出たSchubertのソナタ集が素晴らしく、次は是非Beethovenのソナタ集を録音してくれないかな〜、などと書いていたMidori Seiler(ミドリ・ザイラー)&Jos van Immerseel(ジョス・ファン・インマゼール)のコンビですが、その想いが通じたのか(んなわきゃーない)、本当に出してくれました。しかも全集になる予定とのこと。今回は1〜3番です。

聴いてみましたが、ほぼ期待通り。「ほぼ」というのは、気のせいかたまに音程がピタっと決まっていないかな、と思えるところがあったからですが、それも時代奏法特有の伸びやかで瑞々しい歌い方の魅力の前には大した問題ではないように思えて、実際、これを聴く前に同じく時代楽器によるSchröder/Immerseel盤(約20年前の録音)を聴き直してみたのですが、そちらは時代楽器は使っているものの、時代奏法という点では(現時点で聴くと)あまり満足がいくものではなくて、ヴァイオリンの開放的な響きがあまり感じられませんし、なによりいわゆるmessa di voceがあまり効いていなくて、聴いていて思わす「そこはもっと膨らませて!」と言いたくなってしまいます(笑)。さすが今回の盤はそこら辺は抜かりなく聴いていて誠に気持ちよいものがあります。

というわけでこのシリーズは今後も大いに期待。しかもライナーによると来年にはヴァイオリン協奏曲の録音予定もあるそうでそちらも楽しみです。