Ricercar ConsortのJ.S.Bach小ミサ曲BWV234&カンタータ第198番

Ricercar Consort [MIR 030]

以前聴いたカンタータ集(18,106,150番)が非常に好印象だったPhilippe Pierlot(フィリップ・ピエルロ)指揮Ricercar Consort(リチェルカーレ・コンソート)の新譜は小ミサ曲BWV234とカンタータ第198番。(合間にオルガン曲も2曲入っています。)小ミサはこの間のJunghänel盤Purcell Quartet盤ですっかりお馴染みになったところへ新たなOVPP盤の出現ということで(個人的に)なかなかタイムリーです。声楽陣は上からFuge, Mena, Kobow, Macleodと、前回から変わっていません。

印象を一言でいうと、カウンターテナーのCarlos Mena(カルロス・メーナ)がいいですね〜、という感じです。前回のカンタータ集でも一番印象に残っていましたが、今回も声の艶、表情の豊かさ、深さとも出色で、一人気を吐いていると言ってもいいくらい。というのも(合唱はまあよいとして)ソロ曲ではMena以外の3人は期待の高さからするともう一つという感じで、ソプラノのFugeはもう少し声に深みが欲しいところですし、バスのMacleodもBWV234などJunghänel盤と比べると期待はずれとまでは言わないまでもどこか精彩を欠いている印象を受けます(BWV198第2部のレチタティーボはまずまずでしたが)。テノールのKobowもそれほど悪くないのですが、BWV198のアリア(好きな曲です)はGardiner盤のAnthony Johnsonの方がやはり優れているように思いました。

いずれにしても貴重なOVPP団体の一つなので今後も頑張ってほしいところです。MenaはソロCDも何枚か出しているようなので(賞も獲っている模様)、なにか一つ買ってみようかしらん…。