Olli MustonenのBeethovenピアノ協奏曲第1&2番

Olli Mustonen

独特のピアニズムで私の好きなピアニストの一人でもあるOlli Mustonen(オリ・ムストネン)がBeethovenのピアノ協奏曲1,2番を録音したということで早速購入してみました。オケはフィンランドのタピオラ・シンフォニエッタで、彼の弾き振りです。

Mustonenが弾くBeethovenのピアノ協奏曲というと、Decca時代に第6番(ヴァイオリン協奏曲の編曲版)を録音していて、それも非常にメリハリのきいた面白い演奏でしたが、今回も同様。いや今回の方がより一般的に弾かれる曲だけに彼の個性が一層際立っています。例によってスタカートやスタカティッシモ、アクセントなどビシバシ決めて、伝統的解釈がどうであろうと自分は我が道をいくといったスタイルは誠に清々しいものがあります。この曲の同曲異演盤が他に何十枚あるのか知りませんが、ワンフレーズを聴けばこれがMusutoneの演奏だと即座に識別できそうです(当然合わない人にはとことん合わないでしょうが)。それでも第1楽章などはまだ予想の範囲内だったのですが、終楽章の冒頭のロンド主題の弾き方には思わずのけぞりそうになりました。ここまでやるかと(笑)。ちなみに1番のカデンツァはMustonenの自作。作曲もする彼のことなので結構現代風でトンだものかと思ったのですが、意外に真っ当というかBeethovenのスタイルに合致したもので、それはそれで逆にちょっと物足りなかったかも(笑)。

なおこれは全集になる予定ということで、残りの曲のリリースも楽しみです。特に4番は、あの優美な曲想がMustonenの刺激的な解釈とどう融合するのか、今から興味津々です。