Bertrand ChamayouのLiszt超絶技巧練習曲集

Bertrand Chamayou

フランスの若手、Bertrand Chamayou(ベルトラン・シャマユウ)の弾くLisztの超絶技巧練習曲集のライヴ録音。実はこのCD、去年別レーベル(BMG)から一瞬出ていたように思ったのですが、気がついたときにはもう発売中止(廃盤)になっていて、どうしたことかと思っていたら今度はSONYからのリリース、ということでどうやらレーベル変更(と言っても同じSONY-BMGグループですが)に伴う事情だったようです(憶測ですが)。

演奏はやや小粒かなという印象。最初の1,2番あたりを聴いているときは、技術的に整っているし、解釈も正統的で、どこかLe Guay盤と似た雰囲気があってまずまずかなと思ったのですが、聴き進めていくうちに不満も出てきて、やや優等生的というか小さくまとまっている感じで、もう少し技巧的なスケールの大きさや余裕感も欲しいところです。ライヴにしては表現もやや硬いというか型にはまっている感じで、もっと生気、覇気が感じられるとよいかなと。例えばマゼッパの最終変奏(2/4拍子の部分)はもう少し畳み掛けるような加速感が欲しいですし、エロイカでの細かい音型ではちょっと慎重な感じがします。あと音についても前回のAndaloroの方が深々として響きがあったように思います(これは録音の問題も大きいと思いますが)。良いところとしてはライヴにしてはミスがほとんどないこと。実際のところ途中で咳の音が入っているを聞いて、やっとライヴだと気づいたくらいです。(もちろんライヴを後で編集しているかもしれませんが。)ただ同じライヴであればGoerner盤の方が、細かい瑕は多少ありますが勢いがあって個人的には魅力を感じます。