Podger/CooperのMozartヴァリオリンソナタ集Vol.4

Rachel Podger/Gary Cooper

これまでのVol.1〜3はすべて聴いているGary Cooper(ゲイリー・クーパー)とRachel Podger(レイチェル・ポッジャー)のコンビによるMozartヴァイオリンソナタ集の新譜(Vol.4)。収録曲はK302, K9, K304, K29, K526の5曲。収録時間も76:12とたっぷり詰まっているのはいいのですが前回のVol.3と違って今回はいつも並みの高めの価格に戻ってしまったのはちと残念です。

演奏の印象はこれまでと同じで、相変わらずいい仕事しているなという感じ。特にPodgerは毎度のことながら溌剌としてつやのある音と抜群の安定感が魅力です。(個人的にはKuijken一派のようにさらにバロック的というか開放的な音の方が好みですが。)前回のVol.3のときの感想では、Podgerのヴァイオリンが多少でしゃばっているようなことを書きましたが、今回の印象は少し違って、ヴァイオリンがこのくらい主張するのは当然、むしろCooperがちょっと大人しいというか、格上(?)のPodgerに対してやや遠慮しているのかサポートに徹しているような雰囲気が感じられて、もう少し自己主張してもよいのではないかという気がします(ちなみにそういう目で見るとCDケースの内側の写真も、どっしりと座るPodger女史に仕えるようにやや控えめに立つCooper氏、という感じに見えなくもありません(笑))。というわけでCooperファンには申し訳ないけど、個人的は(Vesselinovaは無理として)OortとかRampeとか、もう少し自己主張をする人と組んだらどうだったろうなと想像してしまいます。