Claire Lefilliatreのde Lalandeミゼレーレほか

Claire Lefilliatre

以前のフランスの古いシャンソン集のエントリで、Claire Lefilliatre(クレール・ルフィリアトル)の歌声をもっとたっぷり聴きたかったので別のCDを注文したと書きましたが、これがそれ。de Lalande(1657-1726)の「ミゼレーレ」と「ルソン・ド・テネブル」です。正直曲については全く詳しくないのですが、解説によればいずれも修道院で修道女が歌うための曲とのこと。(ちなみにミゼレーレでは合間に別の作曲者による聖歌(合唱)が入っています。)バックは前回と同じくDumestre指揮のLe Poeme Harmonique。2002年録音。

聴いてみたのですが、期待が大きかったせいか、シャンソン集ほどの感銘は受けなかったかも。もちろん歌は悪くないのですが、世俗曲と宗教曲という曲の性格の違いのせいか、今回はそれほど柔らかさや微妙な声の陰影は感じられず、むしろ透明でピュアな歌声という印象です。悪く言えばやや人工的で人間臭さが足りないという感じでしょうか。(宗教曲ではむしろそちらの方が相応しいと言えるのかもしれませんが。)またフォルテや高音部では、無理しているというわけではありませんがややキツい感じの声になるところがあるように思いました。それでも「ルソン・ド・テネブル」の一部の曲のように、やや世俗的(?)な雰囲気の曲では声に表情が出てきて私好みです。

ちなみにこのアルバムは2枚組になっていて、2枚目はまるまるBossuet(1627-1704)の「死についての説法」の朗読になっている(朗読者はEugene Green)のですが、聴いてみると、それほど魅力的な声とも思えないオッサン(失礼!)が延々とフランス語で語っているという感じで、最後まで聴きおおせていません(^^;)。(映画Matrix Reloadedで、悪役のフランス人が滔々とフランス語でしゃべるシーンは、さすが世界一美しい言語と言われるだけあって結構聞き惚れたんですけどね…。)