Sepec/SteierのBeethovenヴァリオンソナタ4&7番ほか

Daniel Sepec/Andreas Steier

Daniel Sepec(ダニエル・ゼペック)とAndreas Steier(アンドレアス・シュタイアー)による、Beethovenのヴァイオリンソナタ第4&7番ほかを入れたCD。時代楽器による演奏ということで前から気にはなっていたのですが、4,7番はそれほど好きな曲というわけでもないし、Steierもそれほど好みの奏者でないし、Sepecという人はよく知らないし(笑)、ということで踏ん切りがつかずにいたですが、先日CD店で第7番の冒頭を試聴してこれはイケる!ということで購入しました。ほかにMozartのフィガロの結婚の「伯爵様が踊るなら」による変奏曲WoO40を収録。

家に帰って改めて聴きましたが、7番いいですね〜(特に第1楽章)。ヴァイオリン、フォルテピアノともテンションが高いというか、張りがあって、表情も生き生きとして実にBeethovenらしいです。正直こんなに魅力ある曲だとは今まで気が付きませんでした。Steierの指回りのよさもBeethovenではより活きる感じです。でもさすがにアンサンブルということでSteierもMozartのクラヴィーアソナタのときのような過激なことはしていないな、と思っていたら変奏曲の第9変奏の最後でやってました(笑)。太鼓というか大砲のような衝撃音で、ライナーによると'janissary(トルコ兵?)'ストップというらしいんですが、何度聴いてもここはビクっとします。

ところで時代楽器によるBeethovenのヴァイオリンソナタのCDというと、Schroeder/Immerseel盤を昔はよく聴いていたのでこの機会に改めて聴き直してみたんですが、う〜ん、ことヴァイオリンに関しては、単に時代楽器を使っただけ、とまでは言いませんが、音の頭からヴィブラートをかけていたり、messa di voceがあまりされていなかったりと、時代奏法という面では不満なところが多いですね。この盤も今となってはその歴史的使命を終えたのかもしれないなと思ってしまいました。