Le Poeme Harmoniqueのフランスの古いシャンソン集

Le Poeme Harmonique

先日エスクァイアの付録CD(Alphaのサンプラー)で、もうひとつ聴いてみたくなったのがこれで、フランスの古いシャンソン集。演奏はDumestre指揮のLe Poeme Harmonique、歌手はLefilliatre、Duist、Druetの3人です。2004年録音。

なかなか面白かったです。独唱、二重唱、三重唱、インストゥルメンタルなど、編成はいろいろで、曲の方も、哀歌あり、楽しげな歌あり、はたまた、これは南米の民俗音楽か?、みたいな曲もあってバラエティに富んでいます。その中で一番気に入ったのは、サンプラーにも入っていたシャンソン「ああ、お母さん聞いて」。この曲はMozartの変奏曲のイメージが強くて、あの愛らしい雰囲気からてっきり小さな子供がお母さんに何かおしゃべりをする、みたいのをイメージしていたのですが、実際は若い娘が恋の話を母親にする、という曲だったんですね。(もっともライナーの英語対訳を読んでも歌詞が何を意味しているのかよくわからないところもありますが。エスクァイアの紹介文では「負け戦」だそうです。)第3節で短調に変わるところ(失恋?)や第4節で長調に戻る(立ち直った?)あたりが何とも味わいがあります。何といってもClaire Lefilliatre(クレール・ルフィリアトル)の歌声が絶品。というか、サンプラーを聞いたときは歌手は彼女だけかと思っていたのですが、実際はそうでなくて、正直なところ彼女の歌をもっと聴きたかったかな。(というわけで、同じくAlphaから出ている彼女がメインの別のCDを注文してしまいました。)こうやってみるとサンプラーはおいしいところを入れていたんですね。と言っても他にも面白い曲があって、'Mort et convoi de l'invincible Malrough'という三重唱での表情に富んだバスなども絶妙で印象に残りました。