鈴木秀美/小島芳子のSchubertアルペジオーネソナタ

鈴木秀美/小島芳子

少し前のDarmstadtによるSchubertアルペジオーネソナタのエントリに対するコメントで、鈴木秀美氏のアルペジオーネソナタは5弦のチェロ・ピッコロを使っていて興味深いですよ、というのがあって、私も機会があれば聴いてみます、と返したのですが、CD棚をよく見ていたら実は既に持っていました(^^;)。というわけで今回は改めてその感想を。ちなみに(多少言い訳すると)併録のBeethovenチェロソナタ第3番の方は覚えいたのですが…。

聴き直してみたのですが、確かに音色がDarmstadt盤で聴けるアルペジオーネに似ているところがあって、買った当時はあまり印象に残っていなかったのはその素朴というか風変わりな音色になじめなかったのか、あるいはその頃愛聴していたBashmet盤の呪縛が強かったのかわかりませんが、今はDarmstadt盤で免疫ができたのか、結構悪くないという感じです。ただ多少気になる点もあって、1つは終楽章の第2主題部分のフォルテのパッセージで妙な振動音のような音がすること(楽器のせい?)。もう一つは特に第2楽章で見られるのですが、音の頭からヴィブラートをかけるような弾き方を結構使っていることで、個人的には(これは今Darmstadt盤にハマっているからかもしれませんが)messa di voceなど純粋にボウイングだけで歌わせる方により魅力を感じます。あとライナーで「フレットがないので…ポルタメントが可能となり、表現に抒情性が加えられる。」と言ってますが、個人的にはポルタメントなしの方が好きかも。

余談ですが、このブログもかれこれ1年を過ぎたわけですが、その効用としては買ってきたCDを'ちゃんと'聴くようになったことですね。以前は、未聴というのはないにしても、BGM程度に聴いていたり、全トラック聴いたかどうか怪しかったりというのがままあって、そのため今回のように買っていたことを忘れていたり、さすがにダブリ買いはほとんどないにしても(じゃあ少しはあるのね、というツッコミは却下^^;)危うくダブりそうになったりというのは結構あったのですが、今後は、少なくともブログを書き始めたから買ったCDについてはダブリ買いすることはないと断言できそうです。(以前買ったものついてはまだ危険性が残っているわけですが…。)