Caroline Fischerのデビュー盤

Caroline Fischer

昨日に引き続いて今日はドイツ出身のピアニスト、Caroline Fischer(カロリーネ・フィッシャー)のデビュー盤の感想。ジャケットを見ると、J-Classicでよくあるようなヴィジュアル先行型の演奏家っぽい雰囲気が漂っていて、正直買おうかどうか迷ったのですが、曲を見ると、ドン・ジョヴァンニの回想やShchedrinのバッソ・オスティナートなど多少は骨のある曲も含まれており、一応購入してみました(決してジャケ買いではありません(笑))。ちなみにライナーに載っている写真もいずれもモデルばりの美形で、写真で見る限り今まで私が見たピアニストの中でも一番の美人かもしれません。曲は上述のほかにラ・カンパネラ、ハンガリー狂詩曲第13番、ScarlattiのK141、Mozartのイ短調ソナタK310、Debussy前奏曲集から3曲、ChopinのOp.10-1。悪く言えばややごった煮風です。

聴いてみたのですが、結論から言うと、やはりJ-Classic路線(笑)でした。全体的に丁寧には弾いているものの、何の才気も感じられず、これではお嬢様芸と言われても仕方ないでしょう。難関のドン・ジョヴァンニは、最初の騎士長のテーマなどの部分でメカニック面で流麗さに欠けるのはまあ仕方ないとして、お手をどうぞ、に入ってからの歌い回しのセンスの無さに愕然です。Mozartのソナタも、ドイツの大学を出てこのMozartはないんじゃないの?という感じで、陰影も情感もなく、もちろん何かしらの強弱は付いているのですが、私に言わせれば棒弾きに近いです。Chopinの10-1も、これ1曲だけ入れるということはこれが得意曲なんでしょうが、それがこの出来ではツライものがあります。まあScarlattiのようにまだマシな曲もあるんですが。

というわけで、容姿が人並なら多分こんな風にCDデビューはできなかっただろうなと思うと、洋の東西、職業の如何を問わず美人は得ですね、というところでしょうか。