WispelweyのVivaldi チェロ協奏曲集

Pieter Wispelwey

以前も書いたようにPeter Wispelwey(ピーター・ウィスペルウェイ)は私の好きなチェリストなんですが、少し前に彼のSchumannのチェロ協奏曲のCDを買ったら(例によって配送無料&マルチバイ・ディスカウントのための抱き合わせ用ですが^^;)、目的のSchumannよりもボーナストラックにちょこっとだけ入っていたVivaldiのチェロ協奏曲集の方が印象に残ったので、そちらの方を改めて買ってみました。オケはFlorilegium、'96年録音です。

WispelweyとFlorilegiumのコンビといえばHaydnのチェロ協奏曲集が愛聴盤なんですが、Vivaldiは正直あまり食指の動く作曲家ではなくて、今まで「調和の霊感」とか「和声と創意の試み」くらい(もちろん四季も)しか聴いたことがないのですが、このコンビはやはり聴かせます。いつものようなWispelwey節とでも形容したくなるような、肩の力が抜けた、それでいて音運びが自在といった風な演奏で、あたかも書の達人がサラサラと一気に書き上げるような感じです。ただちょっと疑問に思ったのが、なぜかオリジナルの形ではなく、もともと別の協奏曲の楽章だったものを混ぜて1つの曲として(しかも他から持ってくるときに移調までして)演奏していることで、私のようにVivaldiに詳しくない人間ならそういうことをされても(言われなければわからないので)よいのですが、Vivaldi好きの人には許せないかも(笑)。

ちなみにVivaldiのチェロ協奏曲集では、HMFから出ているDieltines盤も手元にあったので(実は今回のWispelwey盤を買ってからその存在に気が付づいたのですが^^;)聴き比べてみたのですが、Wispelweyが軽やかで華麗、全体的に明るい響きなのになのに対し、Dieltiens盤はよりバロック的と言いましょうか、渋くていぶし銀的な感じがします。恐らくDieltiens盤の方がオーソドックスというか正統的な演奏なんでしょうが、個人的には両者甲乙付け難いところです。

実はWispelewyはVivaldiチェロソナタ集も録音しているようで、今回の盤がなかなか気に入ったのでこの機にそちらの方も注文してしまいました。