Midori Seiler/ImmerseelのSchubertヴァイオリンソナタ集

Midori Seiler/Jos van Immerseel

このブログでも何度か取り上げているように、私は時代楽器による演奏が結構好き(と言っても新譜を細かくチェックしているわけではない)のですが、これまでSchubertのヴァイオリンソナタを時代楽器で演奏した盤は持っていなかったところへ、新譜が出ていたので買ってみました。演奏はMidori Seiler(ミドリ・ザイラー)とJos van Immerseel(ジョス・ファン・インマゼール)、収録曲はOp.137の3つのヴァイオリンソナタソナチネ)と、二重奏曲D.574です。

聴いてみましたが、これはなかなかのヒットです。特にヴァイオリンがよいです。時代楽器特有の伸びやかで開放的な音色、messa di voceを意識した歌い方、溌剌感溢れる表情が素晴らしく、聴いていて気持ちよくなります。今年これまでに買った室内楽のCDの中では最も印象の残るものと言えそうです(と言ってもそんなに買っていませんが^^;)。あえて不満なところを言うと、多分フォルテピアノという楽器の問題なんでしょうが、ピアノパートの音量が小さめで、やや迫力に欠けてしまうところがあります。D.574についてはこれまでよく聴いていたOistrackh/RichterのCD('68年のパリライブ)での、Richterの存在感のあるピアノを聴き慣れてしまっているせいもあるかもしれません。それでも、これまでこの曲の時代楽器による録音がどのくら出ていたのか知らないのですが(例のExploreからは'70年代に録音されたSchroeder/Hogwood盤が出ています)、個人的にはこれを聴くとモダン楽器(奏法)による演奏はしばらく聴けない感じです。

というわけで今後もこのコンビで、今回は入らなかった幻想曲D.934や、あるいはBeethovenのヴァイオリンソナタ集あたりを録音してくれないかな、という感じです。(BeethovenについてはImmerseelは以前Schroederと録音していて、私もよく聴きましたが。)あと、このコンビは既にMozartのヴァイオリンソナタ集(2枚組)なども出しているようなので、そちらにも俄然興味が湧いてきました。