SolovievaのBoris Tchaikovskyピアノ作品集

Olga Solovieva

Boris Tchaikovskyボリス・チャイコフスキー, 1925-1996)の名前は最近結構耳にするのですが、曲を聴いたことはなく、それほど興味を持っていたわけではありませんが、最近とあるレビューサイトをのぞいていたら彼のピアノ作品を集めたCDが紹介されていて、実は結構面白いかも、ということで買ってみました。収録されているのはピアノソナタ第1,2番、子供のための8つの小品、Pentatonica(6つの小品)、Natural Modes(7つの小品)、ソナチネで、これでほぼ彼のピアノソロ作品が揃うそうです。演奏はOlga Solovieva(オルガ・ソロヴィエヴァ)。2004年録音(世界初録音だそうです)。

ソナタ以外は子供のための作品ということで、興味の中心はソナタなのですが、聴いてみた印象は思っていたよりちょっとヌルいかな、という感じです。ヌルい、というのはProkofievやShostakovichよりも一世代後の人だけに、もう少し現代的というか先鋭的な作風かと思っていたのですが、意外と平明というか聴きやすくてちょっと肩透かしを食らった感じです。一世代後といっても作曲年は第1ソナタは1944年、第2ソナタが1952年と、Prokofievの戦争ソナタやShostakovichの第2ソナタとそれほど変わらないので、当然と言えば当然なのですが。それでもこれらの先輩方のソナタに比べたらやはりちょっと大人しい感じです。(むしろ1926年に書かれたShostakovichの第1ソナタなどが一番過激ですね。)その中で個人的に一番印象に残ったのは第1ソナタの終楽章。トッカータ風のノリノリの曲で、私の好みに合っています。(それでも同時代のProkofievの7番ソナタの終楽章に比べればまだまだ厳しさに欠けるのですが。)Solovievaの演奏は(ジャケット写真による先入観も多少あると思いますが:-)清楚なお嬢様系という感じで、思い入れとか深い読みとかは感じられませんが、すっきりとして清潔感のある仕上がりとなっています。

ちなみにそのレビューサイトによるとNaxosからはピアノ協奏曲も出ていて、そちらの方がより翔んでるらしいんで、気が向いたら聴いてみようかと思います。