UllenのSorabji 100の超絶技巧練習曲より第1〜25番

Fredrik Ullen

Sorabjiはあまり興味をそそられる作曲家ではないのですが、曲がエチュードということと、弾いているのがテクニシャンのFredrik Ullen(フレドリク・ウレーン)ということで買ってみました。Sorabjiの曲というと、弾くのに5時間かかるとか9時間かかるとか、それを聞いただけでもう聴く気が萎えるのですが(笑)、今回は1曲1曲が短い(長くても5分台)というのも敷居が低くなっています。(もっともこの曲集も後ろの方にいくと1曲45分というようなものも出てくるようですが。)

だいたいピアノ曲で1曲演奏するのに数時間かかるとか、スコアが7段譜になっているとか、そういう曲を書いている時点でまともな人ではないわけですが(笑)、今回の曲集は意外とまともというか普通に聴きやすいです。作曲されたのが1940-44ということでProkofievの戦争ソナタと同じ頃、曲もProkofievっぽいものがあったりScriabin風だったり、あるいはLigetiを思わせるものがあったりと、適度にロマンチック、適度に現代的という感じでしょうか。個人的にはLigetiのエチュードを思い出させる1番や、Lisztを現代っぽくした感じ?の10番、Vineソナタの緩徐部分を思わせるような20番などが印象に残りました。ただ1枚を続けて聴くと同工異曲?と感じるところもあったりして、まあこれはまだ私が曲を十分に聴き込んでないせいもあるでしょう。

とりあえずこのCDを聴いてSorabjiに対する心理的抵抗は多少少なくなった気がします。次はソナタやオプス・クラヴィチェンバリスティクム…という気にはなりませんが(笑)、エチュードの続編は聴いてみようかなと思います。