Peter EllaのクラヴィコードによるSweelinck鍵盤曲集

Peter Ella

SweelinckはGouldの演奏で知って以来割りと好きな作曲家で、鍵盤曲に関してはこれまでもオルガンやチェンバロ、ヴァージナルでの演奏を聴いているのですが、今回クラヴィコードでの演奏というちょっと珍しいかなと思うCDが出ていたので買ってみました。収録曲はトッカータやエコー・ファンタジアなど(と言ってもそういう名前の曲がたくさんあるのでこれだけでは特定できないですが^^;)全13曲。「我が青春は終わりぬ」「涙のパヴァーヌ」などの定番曲も入っています。演奏はPeter Ella。Sweelinckの鍵盤曲(約70ある)には楽器指定がないそうなので、クラヴィコードという楽器の選択はEllaの好みなんでしょう。ちなみにジャケットに'WORLD PREMIERE'とあったのでクラヴィコードでの世界初録音曲が含まれているのかもしれません。

クラヴィコードというと、チェンバロやヴァージナルよりも小さな楽器で、音量も小さいけど(チェンバロ等と違って)微妙な強弱が付けられ、J.S.Bachが実は一番好んでいた楽器だとかいう話は聞いたことがあるのですが、実際に聴くのはもしかしたら初めて。確かにチェンバロと比べると木質的で暖かい音色で私好みです。いわゆる癒し系の音と言えるでしょうか。演奏も才気溢れるというよりは朴訥とした感じですが悪くありません。音が小さいという欠点もCDではもちろん気にならないのがよいです。実は私は寝るときは音楽をかけながら、ということが多いのですが、そのとき聴く音楽としてはなかなかよいと思いました。(と言っても寝てしまうくらい退屈ということではなくて、Bachの平均律なんかもよく聴きます。)

というわけで入眠用に使えそうなCDです。(実際最近使ってます。)