RudyのMussorgsky展覧会の絵ほか

Mikhail Rudy

Mikhail Rudy(ミハイル・ルディ)による、Mussorgskyの展覧会の絵とScriabinのソナタ第6,7番などが入った再発盤CDの感想を。ファンの間ではRudyによるScriabin後期ソナタは評価が高いそうですが、あいにく私はScriabinの後期ソナタ(第9番を除く)は苦手なので、これだけだったら迷うところなんですが、展覧会の絵も入っているということで買ってみました。

まず展覧会の絵の方ですが、こちらはいいところもあるものの総合的にはもうひとつというところでしょうか。彼は繊細で研ぎ澄まされた感性が持ち味だと思っているのですが、その一方メカニックの方が少し弱い、とまでは言わないまでもときにタッチの安定性を欠くところがあって、この展覧会の絵も、テュイルリーや雛鳥などスケルツァンドな曲での細かい音型でタッチがやや不安定に感じられるところがあります。また「サミュエル・ゴールデンベルクと〜」の後半で2人が同時にしゃべるところも指回りがちょっとぎこちない感じです。これは(ブログでは取り上げていませんが)最近聴いたEMIのLiszt集(2つの演奏会用エチュードやペトラルカのソネットなどが入ったもの)や、同じくEMIのRavel集の中のスカルボなどでも感じたことで(鏡は良いのですが)、このあたり彼が私のお気に入りとまでは言えない一因でもあります。でも逆に小人や古城など彼の美質が出ているように思いますし、最後の2曲もうまく盛り上げています。

一方のScriabinは、これはやっぱり苦手なものは苦手というしかなくて(^^;)、あまりコメントできません、というかコメントするにはもう少しこの曲を聴き込まないといけないのでしょうが、なかなかそうする気に至らないというのが正直なところです(別に無理に聴く必要もないんですけどね)。