KuzminのLisztハンガリー狂詩曲集他

Leonid Kuzmin

Leonid Kuzmin(レオニード・クズミン)のハンガリー狂詩曲と言えば、Russin DiscのLisztアルバム(ちなみにタイトルは'Inferno'―地獄)に2,6,12番の3曲が入っていて、彼らしいテクニックの冴えが堪能できる演奏でしたが、今日取り上げるMelodiya盤はそれとは別録音。収録されているのは2,6,9,11,12番と、3曲がダブっているためこれまで保留気味にしてきましたが、例によっていつ入手困難になるかわからないということで買ってみました。併録としてVladimir ViardoによるLiszt編のSchubert歌曲集(さすらい、水の上で歌う、水車やと小川、糸を紡ぐグレートヒェン、セレナーデ)が入っていますが、これもProPianoから別録音が出ています。

聴いてみたのですが、正直これがあのKuzminによる演奏かと思えるくらいにショボいというか、冴えない演奏です。テンポがもっさりしている上に、フリスカに入ってもキレが全く感じられません。ちなみに演奏時間をRussian Disc盤と比較すると、2,6,12番がそれぞれ10:07 vs 10:55、6:03 vs 7:11、8:37 vs 10:28(前者がRussin Disc)と、テンポ設定が全く違います(なお2番はRussian Disc盤ではRachmaninovによるカデンツァを入れていますが、Melodiya盤では無し)。速ければいいってもんでもありませんが、少なくともRussian Disc盤でのやんちゃぶりは微塵も感じられません。実際、これは実はKuzuminの演奏ではなく別の人のでした、と言われても却って納得してしまいそうです。同じくMelodiyaからは巡礼の年第2年が出ており、そちらもイマイチでしたが、この頃(ちなみに録音年は不明)彼は何かあったのでしょうか。

ついで(と言ってはなんですが)にViardoの方もProPianoの新盤と聴き比べてみたのですが、こちらはまずまず。というかProPiano盤よりこちらの方が(音質はちょっと悪いですが)こなれている感じです。新盤の方は少し衰えが見えるのかもしれません。