Schmitt-LeonardyのBrahms変奏曲全集

Wolfram Schimitt-Leonardy

前回のブログでBrahmsシューマンの主題による変奏曲Op.9について少し触れましたが、他の人の演奏はどうなんだろ、そういえば少し前にBrahmsの変奏曲集のCDを買ったよな、ということで棚から引っ張り出したのがこのCD、Wolfram Schmitt-Leonardy(ヴォルフラム・シュミット=レオナルディ)によるBrahms変奏曲全集です。去年の5月に購入したもの。収録曲は前回挙げた3曲にプラスして創作主題による変奏曲Op.21-1とハンガリーの歌の主題による変奏曲Op.21-2の2曲ということで、全集と言ってもそんなに多いわけではありません。

で、Op.9を改めて聴いてみたのですが、イイです。Kastelsky盤とは違った魅力があるというか、Kastelskyの非常に静的な演奏と比べて、よりテンポやリズム、ダイナミックスが生き生きとして変奏ごとの性格の違いがより明確に描き出されているようです。(と言っても、恐らくSchmitt-Leonardyの方がより標準的でKastelskyの方が異様に繊細な演奏なんでしょうけど。)

他の収録曲については、Op.21の2曲はやはりあまり馴染みの少ない曲なのですが(他の曲の出来からして)悪くはなさそうです。パガニーニ変奏曲は(例によってこれが目当てで買ったのですが)的確な技巧でなかなかの佳演とは思いますが、ただ数多の名盤と比べてどうかと言われるとone of themになってしまうかもしれません。でも1巻の13変奏でグリッサンドの開始がワンテンポ遅れることがほとんどないのは買えます(細かい話ですが私はここがいつも気になるのです)。ただそれぞれの最終変奏はややモタつき気味かも。ヘンデルの方も模範的演奏と思いますが、個人的には(あまりこの曲が好きではないだけに)前回のPostnikovaのような(やや標準からはずれた)デリケートで抒情的な演奏の方に魅力を感じています。

これまで今回のOp.9のようにCDに収録されていても聴き流していたような曲も結構あったのですが、ブログを書くようになってそういう(お目当てでなかった)曲もそれなりにちゃんと聴くようになったのはブログの効用の一つかもしれません。