Guillouのオルガンによるゴルトベルク変奏曲

Jean Guillou

一昨日のブログではJean Guillou(ジャン・ギヨー)のオルガン版ゴルトベルク変奏曲がいまひとつだったと書いていましたが、実はこの盤は長いこと聴いていなかったので、実のところFeller盤と比べるどうなのだろう、ということで久しぶり(十数年ぶり?)に聴いてみました。'87年録音盤です。

感想ですが、思ったより良かったです。むしろFeller盤より好印象と言えるかもしれません。Feller盤に比べて全体的にノンレガートなアーティキュレーションを多用し、ストップの選択も含めて声部の動きもより明確になっているように思います。指回りに関しては完全にFeller盤より勝っており、名技的変奏ではかなりヴィルトゥオージティが感じられます。ただ完全に満足かと言われると難しいところで、トリル等装飾音のキマリ具合やテンポの安定性など、ピアノでの完全にコントロールされた演奏を聴き慣れた耳にはやや不満の残るところもあります。ただこれは、ピアノに比べてタッチの即時性に乏しい(鍵盤を押してから音が出るまでにディレイがある)などの楽器の特性ため仕方ないのかもしれません(もっともプロはそこまで計算して音を出していると思いますが)。でもPrestonやChorzempaなど、オルガンでも非常に明晰で隙のない演奏をする人もいるので、きっとやればできるのではと思っています。

それにしても、(CD聴き比べなどでもそうですが)買った当時はいまひとつだと思った演奏も、聴き直してみるとそうでもないということは結構ありますね。(昔より寛大になった?でもその逆もありそう。)このブログでも感想もその程度に思ってもらったらよいと思います(^^)。