Fellerのオルガンによるゴルトベルク変奏曲

Erik Feller

Erik Feller(エリック・フェラー)と言えば、以前オルガンによるBachのパルティータ集を出していましたが、今度はオルガンによるゴルトベルク変奏曲です。オルガンによるゴルトベルク変奏曲は昔Guillou盤を買ったことありますが、その印象がいまひとつだったこともあり、その後も多分何種類もの盤が出ていると思うのですが(これがトラウマになったわけでもないでしょうが)それ以来もうひとつ食指を動かされなかったのですが、今回、Fellerのパルティータ集がなかなか気に入っていたということで彼なら期待できるかもと思っての購入です。

で、聴いてみましたが、期待に比べるともうひとつだったかもしれません。全体的にはそれほど悪くないのですが、気になる点がいくつか。ひとつは、発音が明確でないというか滑舌が悪いというか、録音または楽器のせいもあるのかもしれませんが、各声部の動きがもうひとつクリアに聴こえないところがあります。(彼のアーティキュレーションの付け方自体は結構好きなのですが。)ストップの選択も、変奏によっては伽藍に大音響で響き渡るようなエコーの付く音種を選択していて(例えば第22変奏)、ちょっと好みと違うかなと。また名技的変奏と呼ばれる指回りが試される曲では結構遅いテンポをとっており、どこかえっちらおっちら弾いている感じがあります。まあ、それが味があると言えば言えるのですが。

たぶん演奏アプローチはパルティータとそれほど変わっているわけではないと思うので、曲と楽器の組み合わせに対する私の相性が悪いのかもしれません。ということで「ゴルトベルクbyオルガン」に対してまた手が遠のきそうです…。