Gabriela Monteroのデビュー盤

Gabriela Montero

最近聴いたCDから、Gabriela Monero(ガブリエラ・モンテロ)のデビュー盤を。これは例のEMIのArgerichによる新人発掘シリースの1つだと思いますが、ただCDの装丁はやや豪華?で、また2枚組(ただし価格は1枚相当)となっています。曲目はRachmanionv, Scriabin, Falla, Granados, Ginastera, Chopin, Lisztなどの小品主体ですが、2枚目(これはボーナスCDの位置付け)は彼女による色々な作曲家のジャズ風インプロビゼーション演奏です。
演奏の方ですが、Argerichのお気に入りの若手にはLim Don-HyekのようにArgerichと正反対とも言えるタイプがいますが、MonteroはArgerichに似て「パッション溢れる」タイプと言えるでしょう。打鍵に勢いがあります。ただやや叩きつけるようなタッチで、悪く言えばヒステリックな印象を受けます。テクニックの方も瞠目に値するというほどではありません。メフィストワルツは感興の赴くままにテンポを動かすような、いわばケレン味がかった演奏で、少し前に出たla Salleの模範演技のような演奏とは対照的です。同様の傾向は同じシリーズでデビューしたLeschenkoにもありますが、Leschenkoの方が解釈にもう一捻りあって、面白い気がします。
全体的な感想としては、あまり私と相性の良くないピアニストかな、というところです。ちなみに2枚目のインプロビゼーションも、私がジャズをほとんど聴かないせいかあまりピンときませんでした。