MorkのHaydnチェロ協奏曲

Truls Mork

実は昨日のTetzlaff盤は2枚組になっていて、2枚目は表題のTruls Mork(トルルス・モルク)によるHaydnのチェロ協奏曲集となっています。今日はその感想。
演奏はというと、オーソドックスでまあ悪くはないんでしょうけど、個人的には音(の出し方)の魅力にちょっと欠けるかなと。というのはこの曲はWispelweyによる時代楽器での演奏に慣れ親しんでいるので、モダン楽器による演奏はどこかしっくりしません。演奏を聴きながら、「時代楽器(の奏法)ならば、ここはきっとこうなるんだがな〜」とついつい思ってしまいます。これは例えば第1番の終楽章でチェロが最初に入るところのような長い音で顕著で、時代楽器であればノンヴィヴラートで始めて中ほどを膨らませていく(messa di voce)ように弾くのですが、モダンチェロだとそれがなくて物足りないです。モダンはそういうものだと言ってしまったらそれまでなんですが。これは例えばDvorakやShostakovichを聴くときには感じないので、やっぱり曲にそれに合った奏法があるということでしょうか。
またバックも音の透明感が違う感じです。Mork盤は編成が大きいせいなのか、ちょっと厚ぼったいですね。
というわけで、この後Wispelwey盤を聴いて耳直し(?)したのでした。