横山幸雄のBeethovenピアノソナタ集(その1)

Yokoyama Yukio

というわけで横山幸雄のBeethovenピアノソナタをいくつか聴いてみました。とりあえず聴いたのは前から
 3, 8, 9, 10, 13, 14, 15, 16, 18, 21, 24, 30番。
番号が飛んでいるのは別につまみ食いしながら聴いたわけではなく、各CDに曲がバラバラ(というか恐らく実際のコンサートのプログラム通り)に収録されているからです。
感想はというと、予想通りなかなかの出来です。値段を考えると悪い買い物ではないですね。中でも気に入ったのは16番, 18番あたり。
16番は今まで手元にあったCDがなぜかまったりというか落ち着いたテンポの演奏が多く(例外はGould盤ですがこれはちょっと異質)、彼のように軽快に弾く盤が欲しかったのでちょうど希望に合いました。18番は今はそれほど好きな曲ではないのですが、終楽章の疾走感がなかなかです。ライヴならではの興奮が感じられ、多分スタジオ録音ではこうはならなかったでしょう。
逆にもうひとつだと思ったのが21番。持ち前のテクニックによるピコピコサウンドを期待していたのですが、割と重いです(テンポも遅め)。3番も曲が彼に合っていそうなので期待したのですが、スタジオ録音だったら多分修正しただろうなというようなわずかな瑕(例えばトリルのキマリ具合)がちょっと気になりました。
全体的に良さが「想定の範囲内」に収まっていて、(今のところ)意外な驚きとか曲の良さを再発見させてくれるというものではないですが、あまり贅沢を言っても仕方ないでしょう。