Wispelwey/LazicのBeethovenチェロソナタ全集

Pieter Wispelwey

室内楽つながりということで今日はPieter Wispelwey(ピーター・ウィスペルウェイ)とDejan Lazic(デヤン・ラジッチ)によるBeethovenチェロソナタ全集を。買ったのはずっと前ですが、今年これまで買ったCDの中では一番良く聴いている盤ではないかと思います。
Wispelweyの名前を初めて知ったのは10数年前、Bachの無伴奏チェロのCD(旧盤の方)を店頭の試聴機でたまたま聴いて非常に気に入ってそのまま衝動買いしたときですが、それ以来好きな演奏家です。
一方のLazicも店頭の新譜コーナーに置いてあったChopinのCDを何も知らずに買ってみて、2番ソナタの出だしを聴いてその速さにビックリし、でもよく聴いてみると単に奇を衒っているのではなく非常に音楽的であることがわかり、それ以来注目し続けているピアニストです。
チェロソナタの中では3番が断然好きですが、彼らの演奏も素晴らしいです。躍動感があって、溌剌として、自由闊達で若々しい。特にWispelweyのチェロが最高に良いです(最近彼が高額で落札した1760年製のグァダニーニのせいもあるかも)。
この曲に関しては、実はこれまではLeonard RoseとGlenn Gouldによる演奏を愛聴していた(と言ってもCDではなくLDから音だけMDに落としたもの。ちなみに映像の方も、冷静に弾くRoseとその前で髪を振り乱して曲に没頭するGouldの対比が頗る面白い)んですが、残念ながらRoseのチェロは(悪くはないですが)普通という感じです。
Gouldの優美かつニュアンスに富んだピアノも魅力たっぷりなのですが、ここしばらくはWispelwey盤の方をよく聴くことになりそうです。