Pieter WispelweyのSchubertアルペジオーネ・ソナタほか

[ONYX 4046]

Guadagniniを手に入れてから、昔録音した曲を再録することが多くなっているWispelweyだが、今回のアルペジオーネソナタも私の好きな曲なだけに買わずにはいられない。実は去年のDeletaille盤を聴いて以来、この曲はやっぱりアルペジオーネで弾くのが一番相応しいのではないかと感じていたのだが、今回の演奏を聴くと、やっぱりチェロの演奏も捨て難いと思ってしまう。と言ってもそれは彼がヴィブラートを抑えmessa di voceを基本とした時代奏法に則っているからで、もしヴィブラート漬けのモダン奏法だったら今の私には受け付けられないだろう。(それでも第2楽章はちょっとヴィブラートが多いかなと思ったけど。)併録の、世界初録音となる二重奏曲と幻想曲のチェロ版も、最初は多少違和感があったが聴き慣れると原曲に劣らず楽しめる。