2008年シドニー国際ピアノコンクール・ソロハイライト(その2)

[ABC 476 6929]

'Studies, Romantics and Beyond'と題されたCD2には実はエチュードはあまり入っておらず、演奏の方もそれほど注目すべきものはなく、それよりはEric Zuber(6位)の弾くChopinアンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズや、Fernando Altamura(入賞外)のProkofievサルカズムあたりが面白かった。Chopin賞をとった佐藤卓史の舟歌もやはり模範的演奏で悪くないのだが、それでも繰り返し聴きたいかと言われると、う〜ん、となってしまう。CD2では他に今回の課題曲となった委嘱作品が2曲入っているが、そのうち北村朋幹(5位)の弾くSmalley(1943-)の作品はワケワカメ系の現代曲とは違って結構楽しめた。ちなみにもう1曲の方はもう少し渋い。前回の浜コンでもそうであったが、このように複数の委嘱作品から1つを演奏者が選ばせる方法であれば、作曲者の方もより多くの演奏者に弾かれるよう、演奏効果もよく考えるようになる(自己満足に陥らない)のでうまいシステムだと思う。(一種のコンペですね。)