Alexei VolodinのTchikovsky/Pletnev編曲集

Alexei Volodin

これもシドニーコンクールネタ、というわけではありませんが、シドニーコンクールのCDをネットショップで探しているときにたまたま一緒に出てきたCDで、面白そうなのでついでに買ってみました。Alexei Volodin(アレクセイ・ヴォロディン)のTchaikovsky/Pletnev編曲集(「眠れる森の美女」と「くるみ割り人形」)と、Stravinskyのぺトルーシュカ3楽章を収めたCDです。たまたまと言ってもシドニーコンクールと全然無関係というわけではなく、2000年のシドニーコンクールの入賞者(第4位)ですし、いつもこのコンクールのハイライトCDを出しているレーベルから出ているので、コンクールが縁でリリースされているかもしれません。Pletnev編曲のTchaikovskyは今では結構CDが出ているのですが、眠れる森の美女とくるみ割り人形を両方入れたCDは意外と少なくて、Tokarevなんかも両方録音しているのですがCDは別になっていますし、これはなかなかよいプログラミングなのかもしれません(私もそれで買ったわけですし(笑))。

で、聴いたみた感想ですが、まず「眠れる森の美女」はまずまずと言ったところ。でも正直私はこの曲はそれほど聴き込んでいるというわけではないので多少甘いのかもしれません(というのは他の曲を聴いた印象から)。次の「くるみ割り人形」もそれほど悪くはないのですが、難所でちょっとタメが入るようなところがやや気になります。トレパックでは中間部でテンポが落ちるのは、解釈なのかインテンポがキープできなかったのか不明ですがあまり賛成できません。いずれにしろTrpceskiやUrasin盤などに比べるとテクの切れ味の点でやや落ちるという感じです。そして最後のぺトルーシュカなんですが、これは明らかにイマイチ。テンポがやや不安定ですし、タッチもどことなく安定感に欠けます。野球でよく「置きにいくボール」という形容をしますが、彼も技術的余裕の無さからなのかときどき「置きにいく」ような不鮮明なタッチが出ている感じです。

というわけで全体的にはもうひとつというところでしょうか。2000年のコンクールには以前取り上げたR.Wrightが出ているわけですが、個人的には(CDで聴く限りは)Wrightの方により魅力を感じます。