CascioliのChopin集

Gianluca Cascioli

またまた最近買ったCDから、Gianluca Cascioli(ジャンルカ・カシオーリ)のChopin集。
CascioliはDGから2,3枚CDを出した後、あまり話を聞かなかったんですが、いつの間にかDeccaに移籍(?)していたんですね。
メインはスケルツォ全曲で、そのほかに軍隊ポロネーズ、華麗な大ワルツ、子犬のワルツ、子守歌、幻想即興曲など全13曲。わりとポピュラーな曲が多いのはレコード会社の意向かもしれません。(最近のDeccaはそんな感じがあります。)
感想ですが、ひと言で言うとちょっと風変わりが演奏というところでしょうか。
まずスケルツォ第1番の最初の和音をアルペジオで弾いているところで「ん?」と思いました。(この他でも彼は和音をくずして弾くのが割りと多いです。)テンポは普通ですが、アゴーギクやリズムの取り方がちょっと変わっています。
全体的に表現へのこだわりが感じられますが、ただそれがやや作為的な感じもして、そのあたりちょっとMikhail Pletnevを思い出させたりもしますが、ただPletnevほど音色のパレットが豊富でないのが残念なところです。(これはDeccaの録音のせいもあるかもしれませんが。)またフォルテ和音の美しさがもう一つという感じもします。
でも、(新しい解釈を聴けるかもという意味で)この先自分の好きな曲を録音することがあれば聴いてみてもいいかなと思います。