TiberghienのBach

Cedric Tiberghien

これも最近買ったCDから、Cedric Tiberghien(セドリック・ティベルギアン)のBach、パルティータ第2,3,4番。
Tiberghienは、これまでCDを2枚ほど持っていますが(1枚はロン・ティボー・コンクールのライブ、もう1枚はHMFから出たDebussy)、自分の中ではまだ特に好きでも嫌いでもないというポジションにあります。
Bachを録音したということでこれは是非聴かねばなるまいと思って購入してみました。
で、聴いてみたのですが、う〜ん。いまひとつですね。
まず録音の面で言うと残響が多いです。これは私の好みでない。
演奏の方は全体にロマンチック路線ですがやや大味です。細部の彫りがやや甘いというか、アーティキュレーションやタッチなどまだよく推敲されていない感じです。
また全体的にトリルの決まり具合がもうひとつで、3番などは細かいトリルがモニョモニョになりがちですし、4番のovertureにいたっては非常に簡単な(遅い)トリルで済ませていたりします。
現代ピアノの重い鍵盤ではチェンバロのような軽やかなトリルは難しいんでしょうけど、そこをクリアに弾くのがプロの腕の見せ所なんじゃないでしょうか。トリルに限らず全般的に現代ピアノの鍵盤の「重さ」を感じさせるような演奏でした。
というわけで、(少なくとも私には)彼はあまりBach向きではないと思いました。このCDの続編(1,5,6番)が出たとしても多分買うことはないでしょう。