Mihaela Ursuleasaのデビュー盤

[Berlin Classics 0016542BC]

Ursuleasaは前々回のChopinコンクールで少し話題になっていたので名前だけは知っていたが、聴くのはこれが初めて。聴いてみると、確かに話題に上るだけのことはある。冒頭、Beethovenの32の変奏曲の主題でのちょっとしたアクセントの付け方を聴いただけでも、彼女が単なる優等生的演奏をしようとはしているのではないことがわかる。その後の変奏も溌剌として勢いが素晴らしい。さらに収穫はGinasteraのソナタで、Judd盤が出てから30年、やっとそれに匹敵する演奏が現れたかと思うほど。(実際は終楽章の最後のところはやっぱり少しタメが入ってしまったのが残念だったが。)ただ夜のガスパールはあまり納得がいかなかった。全体的にかなり遅めのテンポをとるのだが、それがどこか中途半端で、Lifschitz盤のような面白さや新しさには繋がっていないように思える。