Dejan LazicのBeethovenピアノ協奏曲第4番ほか

独奏曲に比べて協奏曲になると今ひとつ大人しく感じられるLazicだが、今回のBeethovenはvirtuosicなところなど吹っ切れた表現を見せ、彼らしさが現れている。特に自作のカデンツァは少しLisztを思わせるところもあってこの盤の魅力の一つになっている。ちなみに室内楽版に基づいているということだが、以前聴いたHoltmann盤とは違ってピアノパートの音自体にはほとんど違いはなく、その代わり緩徐部分でぐっとテンポを落とすなどアゴーギクの面で作曲者の指示に従っているそうである。