Nikolai DemidenkoのChopin前奏曲集ほか

[ONYX 4036]

Hyperionとの縁が切れた(?)後、Sanctus, ASV, AGPLなどいろいろなレーベルからCDを出していたDemidenkoが今度はOnyxという新興レーベルから新譜をリリース。Chopinの前奏曲集は自分の中でもまだこれだ!といえる盤に出会っていないのでDemidenkoならひょっとしてそれに応えてくれるかも、というほのかな期待を持っていたのだが、結論から言うとそうはならなかった。全体的に、持って回ったというか、ルバートなどアゴーギクが多い表現で、詩情を込めながらももう少しサラッと自然に弾けなかったかなという気がする。曲によってはサイドブレーキを引いたままアクセルを踏んだような、なかなか前に進まないような印象を受ける。併録の3番ソナタも、Hyperionでの録音もややその傾向があったが、今回はさらに輪をかけてすんなりと前に進まなくなったようである。